「こんにちは」と「ありがとう」、傳田真央 音楽が繋いだ絆
INTERVIEW

「こんにちは」と「ありがとう」、傳田真央 音楽が繋いだ絆


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月24日

読了時間:約11分

もし未来が検索できるとしたら…

――<ぬくもりや未来は 検索しても載ってはいないから>というワードには感銘を受けました。

傳田真央

 ありがとうございます。そういうものって、人と人との想いからしか生まれないから、どんな便利な時代になっていっても自分の未来とか、心と心の温もりなどは、ネットを検索しても出てこないよねと。

――もし未来が検索できるとしたら、しますか?

 めっちゃすると思います(笑)。しないって言った方が格好良いのかもしれないけど。やっぱり何でも検索しちゃうんですよね。「そんなの調べなくていいだろ」ということも検索したり、検索上手になってしまって。不安なこととか何でも。

――検索やネットの情報は、知らなくても良かった情報も知ってしまうというリスクもあったりすると言いますが…。

 自分も便利な方に走りがちなんですけど、人の心や気持ちはそういうものでは解決できないものがあったりするので、心が強くなっていかなければ人に優しくできない部分もあったり。それはどんなに時代が便利になっていっても変わらないものだと思います。

 心が求める何かをネット検索でごまかすのではなくて、自分が日々目的を持って生きたり、人を大切にしたいと心掛けたりして、また自分の友達と会ってそれを共感し合えたりとか、理解し合える喜びを感じていけるような間柄になって「そういう風にできているかな?」と振り返るきっかけになってくれたら嬉しいです。

――このベスト盤でファンの方ももちろんですが、真央さんも様々なことが思い出されますよね。

 人生の砂時計がどんどん過ぎて行きますね。自分自身もベスト盤を作るというきっかけのおかげで、自分の人生の色んなことを振り返ることが出来ました。それは良い時間だったなと思っています。忙しい日々の中では忘れていた大切な思い出とか、「こんな人がこんなこともやってくれてたな」という感謝とか思い出したり。この曲を作ったときは自分はこんなだったなとか、当時のシチュエーションを思い出したり。

――デビュー曲が20歳ですからね。アルバムは日記のような感覚も?

 歌はそういうところもありますね。私のデビュー曲を当時聴いて頑張っていたという方も歳を重ねていて、話を聞いたりすると、音楽の力というものが少しでも感じることが出来て素敵だなと思います。曲ってタイムマシンだし、懐かしい曲をふと聴くと色んなことが思い出されたり、一緒に聴いていた人のことを久しぶりに思い出したりとか。「元カノとよく聴いていたんですよ」みたいな(笑)。デビュー当時から聴いて頂いている方には、みなさんの思い出も、もう一回振り返るようなきっかけになってくれたらなと。

――アルバムをめくるような感じですよね。MVでもアルバムを見ていましたね。

 仲良しのヘアメイクさんとかミュージシャンのみんなと、キャーキャー言いながら昔の写真を見ていました。「眉毛細い!」とか言いながら(笑)。

――アルバムは見出すと止まらなくなりますよね。

 終わらなくなりますよね。iTunesとかもデータがマックスになるくらい色々入れて聴いているんですけど、自分の1stアルバム『Eternal Voice』だけ入れてなかったりするんです。デビュー当時のは恥ずかしくて。でも今回はベストを作るにあたり向き合わざるを得なくなっちゃって(笑)。DVDも入っているので、映像の方が凄くて。2000年のデビューなんですけど、世間はミレニアムでキラキラして衣装も派手だったりするんです。当時けっこうアバンギャルドなスタッフさんが多くて、みなさん忘れられない方々です。

――影響を受けたところもある?

 そうですね。まだ長野から出て来たばかりで、ファッションのことなどもわからない田舎娘だったので、ヘアメイクさんなどの洗礼を受けてオブジェみたいになって斬新なファッションを(笑)。私のそういう若気の至りも観れるので是非DVDを観て欲しいです。

――確かに2000年は新しい世紀の始まりで、バブルがはじけた後に初めて何となく希望を見出していた頃かもしれませんね。

 ファッションもラメとか付けてキラキラさせた感じでしたね。

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