嫌いだった声が今では強み、岡田結実 活動の原動力は「悔しさ」
INTERVIEW

嫌いだった声が今では強み、岡田結実 活動の原動力は「悔しさ」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年03月22日

読了時間:約11分

嫌いだった声は今では強みに、原動力は「悔しさ」

――さて、本格的な演技としては17年公開の映画『傷だらけの悪魔』が初めてです。この映画は、いじめがテーマで、クラスの女子に恐れられる“女王”の友人を演じられました。

 この時は本当に右も左も分からなくて、「これでいいのかな?」という試行錯誤が正直ありました。役者を挑む心構えというか、そういう事もよく分からないまま、ただただやるしかないと思って。まわりの人の演技を見て学んだり、助監督さんから「自分が出ていないシーンも見た方がいいんだよ」と教わったので、それ以来ずっと見たり。そうしていくなかで演技の感覚を掴んでいきました。実は私、結構、不安しがちと言いますか、すぐに不安になるので、何回もやり直しさせてもらってました。

岡田結実

――振り返ってみて「もっとああしておけば良かった」ということはありますか?

 正直、やっぱりありますね。最後まで自分の役が不安定だったので、そこはちょっと心残りがあります。「あのシーンはもっとこうすれば良かったな」と。

――演じる上で自分の強みは見つかりましたか?

 今回のドラマについてはまだ完成したものを観ていないので何とも言えませんが、演技のレッスンをしているときに言われるのは「楽しそうに取り組んでいるね」ということなので、その楽しさが伝わっているというところは大事にしていきたいと思います。

――ところで、先日おこなわれたイベントで、岡田さんの声の大きさにビックリしました。昔から声は大きかった?

 大きいと言われます。そこは父に似て大きいのかなと(笑)。自覚はなかったんですけど、まわりからそう言われるうちに「大きいんだ」と思うようになって。声が大きくて得したことは、ご飯を食べに行って店員さんを呼ぶときに声が通るんです。騒がしい場所でもすぐに店員さんが来てくれるのは得しているなと思います(笑)。女子としては、声が大きいのはどうなのかなと思うこともあるんですけど、中学生の頃に学級委員になって、皆がうるさいときにシーンさせられたのは良かった点でもありますね(笑)。

――先の『傷だらけの悪魔』の話ですが、演技が自然体で上手だなと感じました。そのなかで気になったのは声。今後、声がキーポイントになってくると思いました。演じるにあたって自分の声、声量をどう見ていますか?

 今の声ですら、ちょっと外行きの声なんです(笑)。家の中の声とは違うかなと。使い分けているのもいやらしい話なんですけどね(笑)。どっちの声も好きですし、役で感じる感情でそれらを使い別けができたらいいなと思います。例えば、アイドルの役なら可愛い感じを出したりとか。

でも、自分の声は、昔はずっと嫌いだったんですよ。女の子っぽくないですし、ハスキーというかガラガラというか(笑)。男性寄りというか高い声が出ないですし、カラオケでも可愛い歌を歌いたいのに、そういう声が出なくて凄く嫌だったんです。

だけど過去に、声優の野沢雅子さん(編駐=ドラゴンボールの孫悟空などの声を担当)に声を褒められたことがあるんです。それがきっかけで自分の声に自信が持てて。野沢のお言葉、今でも心を強くしてくれます。

岡田結実

岡田結実

――こうして映画とドラマに出演されて得たものは?

 演技という面で学ぶことはたくさんありました。ドラマについては、人と関わっていくという勢い、心掛けを学びました。「勢い」というのは、高遠寺円自体が勢いのある女の子で、色んな人を巻き込んでいくタイプなんです。そういう役をやっていると私自身も普段からそういう勢いが出てくる感じになるというか。謎に思ったことはちゃんと聞くということもそうですし、色んな人に自分から関わっていくことは大事なんだなと改めて思いました。

 映画、そしてドラマを通じて思うのは、役同士だけれど、人が関わっているんだ、ということを感じました。役として生きている時間は色んな感情も頂けましたし。演技は空想のなかだと思っていましたけど、実はそうじゃなくて本当にその役や台本の中で「人」が生きているんだなと実感しました。

――演じている自分を俯瞰してみることはあった?

 一歩後ろに下がって見ることができないのか、役に入り込んでいる感じはします。自分の中に役が入ってきているというか。自分でも思ってもいない行動をしているときがあって、「うわ、怖い」と感じることはありました(笑)。だから俯瞰しているというのはあまりなかったかな…。

――今後演じてみたい役は?

 このドラマがきっかけで自分の年齢に近い役ももっとやってみたいと思いました。ですので、今の年齢に近いものをどんどんやってみたいです。学園もので、同世代の者同士が切磋琢磨しながらやるような。そのなかで吸収もしてみたいです。もっと怖い役にも挑んでみたいです。

――取材会などでの発言を聞いていると岡田さんは負けず嫌いなタイプのように見えます。

 そんなには意識していないんですけど、自分の原動力には「悔しい」とか「もっと前に行きたい」というのはあります。完璧を求めているというわけではないですけど、腑に落ちないと凄く悔しいと思うので、自分に負けたくないというのはあります。頑張っている人を見ると自分も負けたくないと思っちゃう。良い意味で人と比べるところもあります。負けたくない気持ちが芽生えたときはその気持ちを大事にして。だけど、それで疲れたりもすることもたまにあります。精神的に自分を追い込むのが好きなのかな? なんか変態みたいですね(笑)。

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岡田結実
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