「いいね」と言われると嬉しい、Thinking Dogs 曲作りへの想い
INTERVIEW

「いいね」と言われると嬉しい、Thinking Dogs 曲作りへの想い


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年03月22日

読了時間:約10分

ラブストーリーの映画観てイメージを触発

――ラストの「春翔る人」は、Junさん作詞、わちゅ〜さん作曲、編曲がThinking Dogsですね。

Thinking Dogs

わちゅ〜 この曲が入るか分からなかったんですけど、自分たちで作った曲を入れたい気持ちはあったので、ずっと曲を書き続けていた中で、初心に還って自分が本当に作りたい曲を作ろうと思ったのがこの曲です。今僕がやりたいコード感やメロディの流れが、全て詰まっています。

――表題に通じる歌謡曲感があって、Bメロで言葉が詰まって早口っぽくなるところは、最初にフォークがお好きと話していたことが表れていますね。

わちゅ〜 そうですね。実はBメロは苦労して、最初はただ単調に歌っていただけで。それだとインパクトに欠けると思ったので、ラップでもないけど言葉を詰めてメッセージを込める形にしたらしっくりきました。

――春がテーマになっていて、温かさもありながら、どこか切なさのある春という感じがしました。

Jun 歌詞はまずメンバー個々で書いて、その中から僕が書いたものが選ばれました。メロディに春っぽさを感じたし、Thinking Dogsの曲には季節をテーマにした歌詞がなかったので、季節を意識して「桜」をテーマに書きました。

 移り変わる日々の寂しさと、桜の花びらが散る様子を重ねています。人生も花びらもいずれは散ると分かっているのに、なかなかそれを受け入れられない自分自身の未熟さとどう向き合うか、みたいな。

TSUBASA 歌詞が上がってきた時点で、Junの歌詞がひときわ良かったです。言葉の感じもちょっと和を感じるし。

Jun 作詞にあたっては、桜にまつわる言葉をたくさん調べたんですけど、桜が付く言葉はどれも美しいものばかりで。「桜雨」とか。せっかくだから、それをたくさん使いたいと思いました。

大輝 Junさんはカメラが趣味なので、それもあってか風景がパッと浮かぶ歌詞だなと思いました。絵とか情景を言葉で描写することが、すごく上手いなって。

Jun 実際にパソコンには、桜の写真をめっちゃ保存してますよ(笑)!

――こういうミディアムバラードは、今までなかったですよね。

わちゅ〜 バラードはありましたけど、こういうマイナー調の切ない曲調はなくて。ずっとそういう曲もあったらいいなと思っていたので、そこを狙って作った部分もあります。曲を書く時は、イメージを触発させるためにラブストーリーの映画を観て、自分ならその映画にこういう主題歌を書きたいとイメージして作りました。

――仮想映画主題歌みたいな。

わちゅ〜 そうです。作っている時は別れのシーンをイメージしていて、Junにはそれを伝えていなかったけど、曲から汲み取ってくれたのが嬉しかったですね。

TSUBASA わちゅ〜は、こういう切ない感じを出すのが凄くうまくて。たまに明るい曲でも切ないフレーズが出てくることがあるくらいです。そういう意味では、本当にわちゅ〜の好きな曲ができたんだなって思います。

――これも最後に泣きのギターが。

Jun アウトロでソロを弾いたのは、初めてです。この曲はわちゅ〜がディレクターも務めているので、「好きなように弾いていいよ」と言ってくれて、思い切り自分が思うままに弾かせていただきました。

大輝 ドラムに関しては、僕はこういう重めのビートは好きなので、すごく楽しかったです。アッパーの速いビートも叩いていて楽しいけど、こういうミディアムのほうが一音一音に自分の感情を込めて、曲により入り込めるので。自分たちで作った曲という思い入れも強いし。ライブでは、感情を込めて叩くことができるんじゃないかなと、楽しみです。キック一つにも気持ちを込めて演奏したいです。

――ボーカルもわちゅ〜さんがディレクションを?

TSUBASA はい。特に、コーラスのハモリに対するこだわりがすごかったです。ハモリの音程が独特で難しかったけど、二人でじっくり録りました。

わちゅ〜 コーラスは、実は家で録ったんです。まずメインボーカルをスタジオで録って、それが終わった流れで家に持ち帰って、明け方まで録りました。

TSUBASA 朝4時くらいまでかかりました。残業手当は出ないけど(笑)、それ以上に聴いてくれる方に「いいね」って言ってもらえることのほうが嬉しいので、頑張りました。

――これが今年一発目のリリースですが、今年の活動はどんな風に考えていますか?

大輝 今年は、全国を回りたいです。何だかんだで行けていない地域が、まだたくさんあって。SNSで北海道や広島などから、「自分の地域にもきて欲しいです」という声をたくさんいただくので、地方にも頑張って行けるように機会を作りたいです。ツアーという形じゃなくても、リリイベとか対バンとかイベントとか、どんな形でもいいので。

TSUBASA ドラマ主題歌で興味を持ってくださった方は、今回のシングルを聴いてライブにも足を運んでもらえたら嬉しいです。

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