女優・仁村紗和の原点はダンス
――お芝居をしていて、役の切り替えはどうしていますか?
「よーい、スタート!」が掛かるまであまり入れないタイプではあるんですよ。その人とのお芝居を噛み合わせてみないと、そのセリフを言う場所に立ってセリフを言ってみないとわからないことがいっぱいあるので。
――結構、生ものみたいな?
そうですね。
――役者さんっていろんなタイプがいると思うんですけど、そういう方もいるんですかね?
いると思います。「カチンコ」の音で切り替わる、というか。そういう人も多いですね。
――ダンスでも音楽が流れ始めた途端、体が動き出すことはありますか。
この音楽が好きだなって思ったらスイッチ入りますね。
――お芝居にもライブ感があるというところで考えると、仁村さんの原点はダンスにあるような。
本当、そうだと思います。身体で表現するのは変わらないですし。ダンスの振付にもストーリーがあって、例えば、結局一人になっちゃう女の子みたいな振付があったら悲しくなってきますし、そういうところで感情表現とか、感受性とか培われたような気がします。
――即興でやるダンスもあると思いますが、それは感情に左右されることも?
されますね。でもバトルとか即興系のダンスは盛り上がる系が多くて、DJさんにもよりますし。
――演じることもそうですけど、その時の…。
結構、場面のナマモノだったりしますね。
――ナマモノって総合力だと思いますが、将来歌ってみたいとか?
歌はあまり得意ではないんですよ。歌うのは好きなんですけど、鼻歌とかもやるんですけど…。面白い音痴だったらいいですけど、あまり笑いが起こらない、絶妙なところを攻めているので。
――ライブされたら面白と思いますよ。
歌が上手い人の横で踊ったら良いかもしれませんね。
――ダンスという面で将来やってみたいことは?
ダンスはどこでも出来ますし、楽しかったら良いと思いますので、おばあちゃんになるまで続けたい。父は54歳ですけど、父みたいに。父はまだおじいちゃんという歳ではないですけど、ずっと踊っていますからね。
――バンドで活動している人がソロでやっているときに、バンドは帰られる場所という表現をされています。
帰られる場所というほどのものではないですが、表現者として原点ではありますね。
――ダンスを始める前とその後では変化がありましたか?
やさぐれていた時があったんですよ。部活にも入りたくない、いわゆる反抗期ですね。でもダンスだけはやるって言ったんですよ、なぜか。そこからは自分ががらりと変わりました。世の中を斜めで見ていたのがダンスで礼儀も教わったりしたので。スタジオに入ったら皆で「おはようございます!」とか、そういう挨拶をするとか。そういうところでも変わりましたね。尊敬する先生に出会ったことも大きかったですね。
――先生はどんな存在?
その人の言う言葉は温かくて、その時の私にはグサグサと刺さることが多かったんですよね。その人の言葉だけは受け入れられていました。両親が言っても「なんだよ」と思っていたんですけど。「部活はしない!」と言っていたけど、でもダンスは行かせてくれて。
――思春期、両親と繋がっていたのはダンスやダンスミュージックだった?
それもありますね。
――反抗はしていたけど、この音楽はいいよ、と言われたら素直に聴いていた。
そうですね。お腹にいる時から聴いていたから落ち着く音楽なんです。
お世話好きで、楽観主義
――チャームポイントは?
眉もそうですが、楽観主義なところです。楽しもうと思いますね。ずっとそんな感じでした。辛いことも試されているな、とか学ばせてもらおうと思っています。
――世話好きとも聞いたことがあります。
そうなです。相談とかされちゃうと気になってしょうがいないです。すごいお節介なんで。でも女の子って意外と話を聞いてもらうだけでいいですよ。でも私の場合「それならこうしないと」とかやるんですけど、「そこまでは大丈夫」と言われて。その時改めて「自分、お節介やな」って自覚するんです。良くも悪くも。
――それは撮影現場でも?
私は結構、スタッフさんに懐いていくタイプなんです。どこの現場でもそうですね。
――今後の展望は?
いろんな役をやって、映画にもっと出たいですけどね。ずっと楽しんでダンスが出来たら良いなと思います。