ソングライターの自分が好き、清水翔太 新譜は今の自身そのまま
INTERVIEW

ソングライターの自分が好き、清水翔太 新譜は今の自身そのまま


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年06月28日

読了時間:約12分

Zepp Tokyoの一体感を武道館でも

「FLY」通常盤

――ふとした寂しさを感じている時に、この「Tokyo」を聴くと心を掴まれる感じがありますね。

 何て言うか、別に「頑張れば夢が叶う」とか、言いたかったわけではなくて。「寂しい気持ちをこの曲で埋めてくれ」と、言いたいわけでもなく。ただ通り過ぎて行く、そのままのことを書きたかった。

 これは、今の僕の曲すべてがそうで。聴いてもらって、こうなって欲しいというような、分かりやすい意図は全くなくて。だから、別に共感してくれとも思わないし。

――でも、共感してもらえたほうが嬉しいのでは?

 嬉しいと言うか、共感してくれるなら、それはそれで自由だし。ただ、今は…。ただ目の前にあるものを書いているだけです。

――そうであるならば、この曲に共感した人とは、ファンとアーティストという関係を越えて、気持ちの同士というような関係になれるのかもしれないですね。

 どうでしょうね。

――「Tokyo」のMVでは、夜の渋谷の街で撮影していたり、趣味の釣りをしているシーンもありますね。撮影してみて、いかがでしたか?

 あんな街中で撮影ができている時点で、もっと売れなきゃなと思いますね。

――人が集まりすぎて、撮影できないくらいにならないと?

 そのくらいにならないとダメだと思う。全然できちゃうので(笑)。

――釣りは、頭を空っぽにして気分転換できる感じですか?

 釣りでリフレッシュしようとか、そういう感覚はまったくなくて。僕は遊びも一生懸命で、その時は音楽から離れられるのは、もちろんそうだけど、音楽から離れようと思ってやるわけではないし。音楽から離れたいと思う時もないし。

 だから、いつでも「行こう」と思ったら行きますよ。主にシーバス釣りですが、準備に労力がいるものでもないし、お台場辺りでもできるし。常に車に道具を乗せているので、夜中でも車を走らせてパッと行けてしまうから。

――じゃあ釣りの曲とかは、生まれないですか。

 そういうのは、本当は好きですよ。自分の好きなものを曲にするのは。だから、釣りの曲を作ろうと考えたこともありますけど、僕が作るサウンドにはどうしても合わない(笑)。でも一応「FLY」の歌詞に、<潮が満ちる>という海釣りに関連したフレーズを入れていたりもしていますけどね。

――7月からのホールツアーでは、アルバムの曲を?

 今回のアルバムは、ライブでやりづらい曲がちょっと多くて、ちょっと困っています。ライブは盛り上げたいので。

――アルバムは、落ち着いた曲が多いですからね。

 そういうつもりで作ったわけではなかったけど、できてみたら、割とそういう感じになってしまって。本当は、ライブのためにアップテンポな曲をガンガン作ろうというというつもりでいたのですが、蓋を開けてみたら、そうでもなかったなと。でも、どんな風にやるかは、ちょっと考えようと思います。

――ツアーの最後には日本武道館2daysがあり、大阪出身の清水さんとしてはファイナルが大阪城ホールというのもポイントなのかと思いますが。

 今はライブハウスツアーをやっていて、みんなの声が直に聞こえるし、一体感があってすごく楽しいです。それと同じレベルで、武道館でも一体感を生み出したいです。

 正直言うと、自分自身のレベルがまだ武道館や大阪城ホールのデカさに追いついていないと思っているのですが、Zepp Tokyoなどで感じている一体感を、武道館でも味わうことができたら、きっとすごく楽しいだろうなと思います。そういうライブができるように頑張りたいです。

(取材=榑林史章)

 ◆清水翔太とは 地元・大阪でゴスペルを学び、2007年にNYの音楽の殿堂『アポロシアター』のステージに平成生まれの日本人として初めて出演。地元の新聞から「100万人に1人の生まれながらにしてのソウル・シンガー」と絶賛された。2008年にシングル「HOME」でデビュー。これまでに加藤ミリヤ、小田和正、青山テルマ、仲宗根泉(HY)、SPICY CHOCOLATE、童子-Tら多くのアーティストと共演。加藤ミリヤとのコラボは“ミリショー”と呼ばれ「Love Forever」などがヒット。

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