探究心や情熱を忘れないように
――「真夏よりも」は、越野さんの作詞作曲で、切なさが溢れる感じの曲ですね。
越野アンナ 歌詞に出てくる女の子の想いは熱いのですが、季節的には真夏のギラギラした感じではなく、夏のカラッとした感じがありつつ涼しいという、初夏くらいの時期をイメージしています。
――<タンタンタン>というコーラスもあって。
越野アンナ そこは時間が刻々と過ぎていくという意味で、<淡々とした>といったイメージも重ねています。
――イントロに逆回転再生みたいな音が入っていて、それが記憶や時間を巻き戻すようなイメージとも重なっていますね。
越野アンナ そこは、アウトロのキーボードを逆回転して付けました。私が最初に作ったデモは、もっとロックチューンだったのですが、表題曲の「#Hashtag」の雰囲気に合うようにと、こういうアレンジにしていただきました。
西塚真吾 これもベースは、レコーディング現場で自分からアイデアを提案しながらやっています。ベースはちょっとゴリッとしたロックな存在感を出しつつ、シンプルさを意識しているのですが、でもドラムは打ち込みと生の要素が入り交じって…という感じです。
――このシングルでは唯一の日本語を意識したタイトルで。
越野アンナ タイトルは、最近はあまり聞かないだろうなというタイトルを意識して付けました。昔のアイドルが歌っていそうなタイトルかな、と思ったのですが(笑)。
――ちなみに、今回越野さんが着ている衣装に書いてある、「KEEP THE WILD IN YOU」は、どういう意味ですか?
越野アンナ 「ワイルドさを忘れるな」みたいな意味ですけど、スタイリストさんが選んで下さって。私自身、音楽に対する探究心とか情熱を忘れないようにと思って。
西塚真吾 それ、本当に(笑)?
越野アンナ 本当に、そういう気持ちで着てますよ(笑)。自分のフィーリングと合わないことが書いてあったら、そのときは「ちょっとこれは」と言いますから。
西塚真吾 ああ、確かにアンナちゃんは、そういうところにまでこだわるよね。僕はTシャツに書いてある意味まで考えずに買って着ることも多いから、アンナちゃんに突っ込まれる時があります(笑)。
越野アンナ だって恥ずかしいじゃないですか? 知り合いの外国人で、「醤油」ってタトゥーを彫っている人がいて、「ソイソースだよ」と教えてあげたら「嘘だ〜!」と言って泣き叫んでいました(笑)。
――この夏は、ライブの予定も?
越野アンナ リリースイベントがあります。ハッシュタグダンスをみんなで踊ってもらって、一つになって楽しめたらと思います。
あと、真吾さんはわりと無口なイメージだと思いますが、ライブではMCがめちゃくちゃ面白いので、楽しみにしていて欲しいです。
西塚真吾 ハードルを上げないで(笑)!
(取材・撮影=榑林史章)
◆anderlustとは 2014年に開催された、女性ファッション雑誌「NYLON JAPAN」とソニーミュージックによるオーディション「JAM」で、NYLON賞を受賞した越野アンナと、ライブで知り合った西塚真吾で結成。2016年3月に、越野が出演した映画『あやしい彼女』(2016年4月公開)の主題歌「帰り道」でメジャーデビュー。同曲は、小林武史のプロデュースでも話題になった。