「待たせてしまってごめんなさい」という気持ち
——続いては「FOOL」について聴かせてください。こちらは「REALLY REALLY」とは真逆な表情を持った歌ですね。
カン・スンユン 最初から「REALLY REALLY」とは正反対となる楽曲を作ろうとイメージしていました。先にも触れましたが、「REALLY REALLY」はWINNERとして新しい挑戦を示した歌。だからこそもう1曲は、これまでWINNERを応援してくれている人たちが求めている表情を持ってきたかったんです。そういう意味で「FOOL」は、とてもWINNERらしい楽曲になりました。
——「FOOL」の歌詞にも衝撃を受けました。始まりが<目の前から消えろ>ですから。
カン・スンユン 歌詞って、一番重要な部分やインパクトを持った言葉から始まることで人の耳にも印象が残ると思います。この曲の歌詞は、最初から最後まで一つの物語として書いています。だから、この歌も誰か特定の人を主人公に見立てているのではなく、1本の小説のように書きました。
——この歌に登場する男性は、自分で相手を振りながら結局は後悔を覚えている印象です。そういう心境って、実際にあることだなとも感じました。
カン・スンユン そうなんですよね。この歌は、これまでずっと僕らのことを待っていくれてた、ファンのみなさんに「待たせてしまってごめんなさい」という気持ちを記しています。それを、失恋の風景に見立てたわけです。
——ということは、2曲ともファンの方へ向けた曲に?
カン・スンユン はい。ファンの人たちへ向けた想いを、違う対象を用いて表現しています。
——スンユンさんは振って後で後悔するタイプですか?
カン・スンユン 僕は、「FOOL」に出てくる主人公のような気持ちはないです。たとえ、別れたとしても後悔はあまりしません。むしろ、その経験を未来への糧にしたり、作詞のアイデアに変えてしまいます。
——スンフンさんは、「FOOL」に対してどんな印象を持ちましたか?
イ・スンフン 「FOOL」もまた、「REALLY REALLY」とは違った視点で「いい歌だな」と感じてました。僕自身、悲しい気持ちを歌うほうがリアリティを持った感情を込めやすい。なので歌いやすかったです。
——この曲に登場する主人公の気持ちも、「わかる」という感じでしたか?
イ・スンフン 想像はしていました。ただし、僕の場合はフラれる経験はあっても自分から振るなんてことは一度も経験がないから、この主人公の気持ちに対して「どうして?」と思ってしまいます。もし、自分が主人公になったら、そういう悲しい気持ちはすべて忘れ去り、新たに気持ちを切り換えて次へ進みたいです。
ソン・ミノ 僕は「FOOL」の主旋律がすごく好きなんです。だから、いつも口ずさんでしまいます。
——歌詞については、どうですか?
ソン・ミノ 僕はこの曲のような恋の経験がないから、よくわからないです。むしろ、こういう男性は愚かだと思います。
イ・スンフン 僕らの場合、歌詞に出てくる主人公はメンバー自身の気持ちを投影しているものというよりも、歌詞に描いた物語を僕らが歌を通して伝えてゆくスタイル。だから、歌詞に出てくる主人公とリンクして捉えられてしまうのはちょっと違うのかなと。あくまでも、一つの物語の語り部として歌っていると捉えてくれたらなと思います。
キム・ジヌ 「FOOL」の中から聞こえるメンバーそれぞれの歌声の魅力、そこが明瞭に伝わってくるところが好きです。