BiSHはいつか潰してやろうと思います
――新メンバーの2人、ももらんどさんとパン・ルナリーフィさんについて、教えてください。
プー・ルイ ももに関しては、合宿オーディションの期間中にいちばん成長しました。最初は声もすごく小さかったのに、最後には、叫び声をあげるくらいまでになっていて。その成長スピードに期待しています。
あと、いちばん歌もダンスも出来なかったけど、ニコ生の人気投票では常にトップ3にいて、どこか人を惹きつける魅力を持っていますね。最初は「やっていけるのか?」って、悩んでいましたけど。
カミヤサキ 今ダンスレッスンとか、すごく頑張ってて。メキメキと上達していますよ!
――パンさんは?
プー・ルイ パンは明るいし、表情を作るのが上手い。ライブ審査のときは、すごく良い顔をしていたし。ニコ生の投票で叩かれたときがあっても、変に動揺することなく、最初から最後まで変わらず真っ直ぐで、気持ちがすごく強い子です。
――やっぱりアイドルには、メンタルの強さは必要?
カミヤサキ 絶対に必要でしょう。それに前にどんどん行こうとする、良い意味での貪欲さとか。
プー・ルイ 前のBiSにあって今の新生BiSに欠けているのは、闘争心です。前のBiSの6人は、何なら全員メインボーカルを執るけど、みたいな空気感があって。
カミヤサキ でも、本人達はあまり意識していないところで、そういうのが自然と出ていたんだよね。
プー・ルイ だからこそ、6人の個性があんなに立っていたんだと思います。新生BiSは、そういうのがあまりなくて、ほんわかしている感じだったんですけど、新メンバーの2人が入ったことでちょっと変わって来ていて。これを言うとみんな嫌がるけど、先に入ったキカ、ペリ、ゴ・ジーラの3人は、今めっちゃ燃えてます。
カミヤ うん。私がトレードで入った日から比べても、変わったと思うくらいなので、プー・ルイから見たら、もっと変わってるんだろうなって思う。
プー・ルイ 後輩が入ると、どうしてもみんなの目は後輩に向くので、それを肌で感じて「このままじゃヤバイ」って思ったんだと思います。そういう嫉妬心みたいなものが、良い方向に働いているんじゃないかな。
――最近は激しいロックを歌うアイドルが増えて、それは前のBiSが確立した部分が大きいと思いますが、新生BiSでは、音楽的にはどういうものを考えていますか?
プー・ルイ アイドルがロック系の曲を歌うのは、うちが本家ですからね。曲は松隈ケンタさんが手掛けてくれるので、おのずとロックになるだろうし、そこは信頼しているのでお任せしています。
あと、WACK(BiSの所属事務所)は、歌詞を書かせてくれることが多くて。他のグループでは、自分たちで歌詞を書いているところは、そこまで多くはいないと思います。作詞することで、より自分たちの気持ちを込めることが出来るし、その分、よりアーティスティックに見せて行けるのかなって思います。
――そのとき嫌だと思ったことも、歌詞で訴えることが出来るし。
プー・ルイ 嫌だと思ったことしか、書いたことないですけど。そもそもうちら、わりとみんなそうだけど、他人のハッピーなことには、ほぼ共感しないんで(笑)。自分で聴くのもそうじゃない? 失恋の歌ばっかり聴くし。
カミヤサキ そうかも。
――前のBiSと新生BiSで、変わったところは?
プー・ルイ スタッフは前のBiSから変わっていないんですけど、今は全国ツアー中で、「今日はダメだった」とか「もっとここをこうしたほうがいい」とか、ケツを叩いてくれるようになりました。
カミヤサキ 前のBiSのときは、そんなのなかったよね。反省会も、やったことなかったし。
プー・ルイ そうそう。それで前のBiSが終わったとき、「あれじゃダメだったんだ」と、メンバーもスタッフもみんな気づいたんです。
カミヤサキ あのときは、スタッフもアイドルを手掛けるのが初めてで、うちらもそうだったし。手探り状態でやっていたところが大きかったからね。
――そんな反省もあって生まれたのが、BiSHだったと思いますが、BiSHに対しては、どんな気持ちですか?
プー・ルイ もちろん最初の頃は、思うところがありましたよ。でもそれは、“ヤキモチ”みたいなもので。
そもそも、私とマネージャーの渡辺淳之介さん、作曲家の松隈ケンタさんとで始めたのがBiSで、それを私のいないところで、渡辺さんと松隈さんで始めたのがBiSHです。だから、女特有のあれで、単純なヤキモチ。今は渡辺さんと松隈さんと私で、新生BiSを始めたことで、ヤキモチも収まりましたけど。
カミヤサキ 私もBiSHが出来た当時は、プー・ルイと同じで、すごく黒い気持ちでしたけど、今は自分の中で消化出来ています。ライブを見れるなら見に行きたいし、参考にしたいことはたくさんあるし。今はそういう目線で、BiSHのことを見ているし、曲も聴いています。
――良いところを盗んでやろうと。
プー・ルイ いつか潰してやろうとは思いますけどね(笑)。今はその時期じゃないんで、敵に回すと怖いから褒めておきますけど。
カミヤサキ 虎視眈々と首を狙ってますよ(笑)。
(取材・撮影=榑林史章)
◆BiSとは 2010年にプー・ルイを中心に結成。2014年7月8日に神奈川・横浜アリーナライブで解散するが、2年後の2016年7月8日に再始動を発表。新メンバーオーディションをおこない、プー・ルイ、ペリ・ウブ、ゴ・ジーラ、キカ・フロント・フロンタール、アヤ・エイトプリンスの5人で、アルバム『Brand-new idol Society 2』で再デビュー。2017年に所属事務所WACK主催によるBiS/BiSH/GANG PARADEの合同合宿オーディションを開催。4月にももらんど、パン・ルナフィーリが加入。アヤ・エイトプリンスがGANG PARADEへ、GANG PARADEから一期BiSメンバーだったカミヤサキが、BiSへトレード移籍した。
作品情報
BiS 新体制1stシングル「SOCiALiSM」 発売日/5月31日 レーベル/つばさレコーズ CD+DVD盤(CD+DVD) ▽CD収録内容 ▽DVD収録内容 |
ライブ情報
『BiS BAD SOCiAL TOUR』
5月30日 東京・LIQUID ROOM |