曲ごとに主人公を演じる気持ちで、JY　多面的に表現した自身の姿

ファンの手紙を読むと頑張ろうって思う

JY

――バラードの「Letter」は、JYさんご自身で作詞。ファンに向けたメッセージを込めたものですね。

　そうですね。ファンのみなさんもそうですし、私を支えてくれている周りのスタッフのみなさんや家族とか、そういう人たちへの感謝の気持ちを伝えたいと思って書きました。

――タイトルは、ファンレターのことも含まれていると思いますが、ファンレターにはどういうことが書かれている？

　たとえば「JYの笑顔を見ると元気になります」とか、「JYの歌を聴いて、今日も頑張ります」とか。そういうお手紙を読むと、感謝の気持ちでいっぱいになるし、私自身ももっと頑張ろう！という気持ちになります。

　仕事で大変な時は、そういうお手紙をいただいたことを思い出して。一人じゃなかったって思うと元気が出ます。

――ひとりで作詞するのは、大変でしたか？

　最初はなかなか書けなかったのですが、作曲家の山本加津彦さんに相談したら、「一度、JYが言いたい言葉を全部書いてみて。それに合わせて譜割りを変えることも出来るから」と、言ってくださって。それで実際に、歌詞に合わせてメロディを変更したところもあります。

――ボーカルディレクションはけっこうありましたか？

　わりと自由に歌わせていただいています。「Letter」の時は、山本さんから一度OKが出たんですけど、私の中で納得がいかず、自分からもう少しやらせてほしいとお願いして歌いました。

――JYさんの中に、明確なイメージがあったんですね。

　正解を決めているわけではなくて、その時に感じたものを表現したいと思ってやっています。なので、その時「何か違うな」と思えばもう一度やるし。だから、すごく時間がかかる時もありますし、一回で終わる時もあるし。曲によっていろいろです。

――これまでも、「好きな人がいること」など数曲で、共作という形で作詞に参加されていましたよね。

　はい。共作の時は、山本さんがベースを書いてくださって、その上に自分の要望や言葉を加えていただいたり、２番は丸々私が書かせていただいたり、曲によっていろいろでした。

　でも１曲丸々自分一人で書いたのは初めてだったので、ちょっと大変でしたけど、楽しい時間でもありました。今後もそういう曲をどんどん増やしていきたいです。

――歌詞で言うと、「このままで」は、＜慣れないメイクが〜青い涙でこぼれた＞という歌詞があって、グッときました。

　「このままで」は、JYの活動が始まったばかりの時に、山本さんと歌詞を共作させていただいた曲です。

　山本さんといろいろお話をさせていただく中で、「最近はどうなの？」と活動のことを聞いてくださって。その時に話したことや自分の素直な気持ちが、歌詞になっています。

　この仕事はみんなに見られる仕事だから、本当の自分は何だろう？　と考える時がたまにあって。誰が本当の自分に気づいてくれるのか？とか、本当の自分はこうなんだよ！　とか。そういう時もあるけど、やっぱり前向きに頑張るっていう。そういう気持ちを表現しています。

――他に収録曲で、これは曲調が好きとか、これは歌詞が好きと言うのはありますか？

　曲調では、「Come Back」という曲は、R&B系なんですが、自分からこういう曲をやりたいですと言って、作っていただいたので、すごく愛着があります。

　R&B系の音楽は、普段よく聴いている音楽なので、自分でも馴染みがありますし、パフォーマンス的にも魅せられるんじゃないかと思って。

――今はどんなアーティストが好きですか？

　フランク・オーシャンとか。自由なところが好きです。表現力もすごいし、サウンドもすてきです。

――ボーナストラックは、英語の３曲で、その「Come Back」の流れを汲んだものになっていますね。

　そうですね。それに英語詞だからこそ出来る曲調だし、だからこその表現もあると思って。だから歌詞も、日本語の曲と比べると、けっこう激しいことも歌っています。こういう一面も、楽しんでもらえたら嬉しいです。