殻を破っちゃった「STAGE」
――「STAGE」はEDM調でアグレッシブなメロディーさんも聴けますが、この曲を初めて聴いた時の印象は?
この曲が今作の中でも初挑戦という感じの曲なんです。最初は自分が歌える気がしなくて(笑)。EDMを聴くのは大好きなんですけど、歌った事は今までなかったんです。「これを私が歌ったらどうなっちゃうんだろう?」と、最初は心配だったんですけど、私らしさという声は残しつつ、“ロックにカッコ良く”という事を一番に置きながら意識して歌いました。
最初はなかなか殻を破れないというか、あまり良いなとは思えなかったんですけど、今井了介さんから「もっと堂々と歌ってみな」「もっとえらそうに歌って」とか、色んなアドバイスを頂いたんです。そうしたら段々と歌い方も掴めてきて、最終的には“ロックな自分”が出せたと思っています。
――こういったアプローチの曲も歌えるとなってくると、もっとハードな曲もいけそうですね。
こういうのもやれて殻を破っちゃったので、もっと色々やってみてもいいのかなとは思いますね。
――「STAGE」はライブでも既に披露されています。
ライブ向きのノリノリの楽曲なので、歌う前に「みんな盛り上がって下さいね!」と言ったらみんな腕を振り回して盛り上がってくれたので凄く楽しかったです。
――今作でも妹さんのアンジェラ・チューバックさんとのデュエットが収録されていますね。前作はチャーリー・プースの「Marvin Gaye」のカバーでしたが、今作はザ・ピーナッツの「恋のバカンス」と、なかなか振り幅があります。その“振り幅”が今作の隠れたテーマだったり?
そうですね(笑)。「可愛らしい」というよりは「カッコいい私達」というテーマがあったんです。この曲にした理由は、小さい頃に“懐かしの映像”みたいな番組でザ・ピーナッツさんのお2人が歌っているのを観た事があって、それが凄くカッコいいと思ったんです。ハーモニーも凄く綺麗だし、勝手に私と妹に置き換えて。お揃いの衣装を着て一緒に歌うのが憧れで、小さい頃に真似して歌っていました。
――早い段階でザ・ピーナッツさんの魅力に気が付いたんですね。
そうなんです(笑)。そういう訳で、もともと私も妹も親しみのある曲だったので、今回これを提案してみたら「意外と面白いんじゃないの?」という話になりまして。原曲の歌謡感は残しつつ、アレンジをして今っぽさを入れたりジャズの要素を入れたりして、私達らしいアレンジになったと思います。
――昔ながらのメロディの良さも残しつつ現代風のアレンジですよね。
今作のCDを聴いてくれる方々の中には、この「恋のバカンス」という曲を知らない人も居ると思うんです。そういう人達にもこの曲を聴いてもらえたらいいなって思うんです。まずはこのハーモニーを聴いて欲しいし、コーラスにスキャットを入れたりしてるし、フェイクの掛け合いもあるので、これらは前回のカバー楽曲では聴けなかった所だから是非聴いて欲しいんです。
――テクニカルな部分も盛りだくさんなんですね。今回はケンカなんかはしませんでしたか?
ケンカは無かったかな…。「ここは違うよ?」とか、そういうのはありましたけどね。傍から見たらそれがケンカに見えるらしいんですけど(笑)。もうお互いズバズバと言うので。でもそれはただ意見を交換しているだけというか。
――傍から見たらそれがなかなかハードなやりとりだと。
そうみたいなんです(笑)。「ケンカしないの!」って言われちゃったり。
――フェイクの掛け合いは難しかったですか?
楽譜には無いアドリブなので、実際にやるとなると良いテイクが録れるまで何度もやったりしました。難しかったんですけど、私も妹も最終的には「楽しかったね」という感じでした。フェイクに関してはエキサイティングな瞬間でした。
――「Baby Girl」の<ジブンジシンとDiscussion>というフレーズが良いですね。自分自身とディスカッションする事はありますか?
それは毎日ですね。自分と相談というのはあるんです。頭の中で「これどうする?」みたいに自問自答しているんです。
――そういうのがあるんですね?
「これはこうする?」「いや…」「こうだ」とか、独り言を言ってます。
――独り言を言ってるんですか?
言ってます。誰かに話しかけているように独り言を(笑)。
――きっと、それで思考を整理しているんでしょうね。
そうなんです。
「付いて行きたいな」と思える存在に
――メロディーさんの理想のアーティスト像はどんなものですか?
私の理想のアーティスト像は前から変わらず、「聴いている人を元気に出来るような、笑顔に出来るような歌を歌っていきたい」というものなんです。今回2作品目を作って、私の考えている事や歌っている事に関して「付いて行きたいな」と思ってもらえるような存在になれるように、聴いて下さる方やファンの方と一体感が生まれるような人になりたいなと思えるようになりました。
――今後のライブの予定は?
今作のリリースイベントをやって、東京や地方でもライブをするので、それを通して前回のリリースイベントよりもちょっと成長した自分を見てもらえたらなと思います。
――もう1枚ミニアルバムが出たらワンマンライブが出来ますね。
そうですね! 出来ますかね! ワンマンライブをするという事も今年の目標なので、それに向けて、いつでもライブが出来る準備を今からしておきたいと思っています。
(取材・撮影=村上順一)