『ポケットモンスター』のキャラソンを糧に
――佐香さんは、今年デビュー5周年とのこと。ここ最近では、やはり『ポケットモンスター』シリーズのキャラソンを手掛けたことが、出来事としては大きいですか?
この2年くらい、『ポケットモンスター』の楽曲の仕事をさせていただいて、すごく良い経験でした。今後もそれを糧にして、また新たな一歩を踏み出せたらと思っています。
――もともと、『ポケットモンスター』の曲をやるきっかけは何でしたか?
アニメ『ポケットモンスター XY』のOPテーマである「ゲッタバンバン」(2015年4月29日リリース)を担当したことでした。そのときに何曲か作ったのですが、別の曲も監督さんが気に入ってくださって。それで、サトシが歌うアニメ『ポケットモンスターXY&Z』のOPテーマ「XY&Z」や、ユリーカが歌う「プニちゃんのうた」など、作詞や作曲などで携わらせていただくようになりました。
『ポケットモンスター』は、幼少時代からゲーム、TVアニメ、映画と全部見たりやったりしていたんです。だから、『ポケットモンスター』に音楽で関われたことが、本当に夢のようで、すごく光栄でした。
――『ポケットモンスター』のキャラクターソングを作る上で、苦心することはありますか?
幼少時代から歴代のキャラソンをたくさん聴き親しんでいたので、何となくこういうものだなというのは分かっていて。その上で、小さい頃から『ポケットモンスター』に触れて来た、自分にしか書けない「ポケットモンスター愛」のこもった曲を作りたいと思いました。
もしそのキャラクターが主人公に向けて手紙を書いたなら、どういうことを書くだろう?とか。このキャラクターには、きっとこういう一面もあるんじゃないかな?とか、イマジネーションを膨らませて書いています。
――ライブなどで、お客さん層には変化がありましたか?
リリースイベントのときは、やっぱり小さいお子さんが目立つようになりました。なので、小さいお子さん用のスペースを設けたりしています。ライブでは女性ファンの方もたくさん来ていただいているのですが、みなさんも『ポケットモンスター』世代なので、キャラソンを歌ったりすると、すごく盛り上がります。
――そんなことも踏まえて、今後やっていきたいことは?
自分の音楽活動とは別に、他のアーティストさんに楽曲提供もしていきたいと思っています。
それに『ポケットモンスター』に携わらせていただいて、誰かのために書く楽しさや、作品のために書く面白さを発見しました。今後もぜひ書かせていただけたらいいなと思います。
(取材・撮影=榑林史章)
◆佐香 智久 2010年から動画共有サイトで「少年-T」名義で楽曲を発表し、「癒やしの神の声」と話題に。2012年にシングル「愛言葉」でメジャーデビュー。甘いマスクと優しい歌声で人気を集め、『君と僕。2』や『絶園のテンペスト』など人気アニメのテーマソングを担当。2015年から、アニメ『ポケットモンスター』シリーズのキャラソンを手掛けている。海外でも人気で、近年は台湾でライブを開催している。