“追い風さん”に感謝、Pile ファンへの想い込めた新譜
INTERVIEW

“追い風さん”に感謝、Pile ファンへの想い込めた新譜


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年05月01日

読了時間:約10分

憧れの日本武道館に立つ

Pile

ーーアルバムのタイトル『Tailwind(s)』は、「追い風」という意味で、Pileさんのファンのことを「追い風さん」と呼ぶそうですね。

 いつだったか、ライブのMCで「私は大きな帆を張っていきますので、みなさんは追い風さんとなって私の船を進めてください!」と話したことがあって、それ以来ファンのみなさんから、自分たちのことを「追い風」と名乗ってくださるようになったんです。

 μ’sが終わってからの約1年、私が行くところにはそういうみなさんが来てくださって、みなさんに支えられて今日までやってこれた1年だと思っていて。そんなみなさんに対して、少しでも感謝の気持ちを表現したいと思ってタイトルをつけました。

 風は数えられないけど、ファンの方はたくさんいますし。そこに私自身も加えて、複数形の「s」を付けました。カッコは、何となくです。目立ちそうだったんで(笑)。

ーー『Tailwind(s)』は、歌詞に「夢」「翼」「羽」といった言葉が共通してたくさん出てきますが、それは意識的にですか?

 自分では意識していませんけど、作詞をしてくださっているみなさんが、デビューのときから私のことをよく知ってくださっている方ばかりなので。おのずと皆さん私に対して、同じような印象を持ってくださっているのだと思いますね。

 それに、ソロデビューしてから現在までの作品には、どこかしらに羽があしらわれていて。今回の初回盤Aのジャケットには羽が舞っているし、フラミンゴもいるし。

ーーフラミンゴは、どうして?

 私のパーソナルカラーがピンクだし、フラミンゴならグッズにしてもかわいいと思って。そしたら去年の夏に、フラミンゴが大流行したんです! どこに行ってもフラミンゴグッズがあって、見つけるたびに買うから家中フラミンゴだらけです(笑)。

ーーあと、ラストに収録している「ROAD」は、ファンのことや西木野真姫ちゃんに向けて歌っているのかなと思いました。

 いろんな出会いに対してですね。だから、どんな人が聴いてもその人に当てはまる部分があると思います。

ーーサビには、<この世界中は 希望に満ちてる>という歌詞があります。これは、今のPileさんの本心みたいなものですか?

 そうですね。希望は、持つだけならいくらでも持てますから(笑)。ただ、その希望をどう実現するかが大事で。そう思ったら、まだまだ世の中捨てたもんじゃないなって思いました。

 結局は、気の持ち様です。身体がどんなに元気でも、気持ちが追いついてなければ、何をやってもダメになってしまう。特にアジアツアーでは様々なハプニングに見舞われて、とにかくハートが強くなりました。

ーーアルバムの中で、ご自身で歌って好きな曲は?

 歌っていて好きだなと思うのは、「VENGEANCE」です。アッパーなロック系サウンドで、全身で暴れ回る感じで歌っていて、すごく楽しいです。レコーディングブースの中でも暴れていました。

ーー「FLY」のような、温かいミディアムバラードもありますね。

 そうそう。私も「FLY」や「angel song」みたいな曲は、すごく好きです。私の世代に刺さるって言うか、歌っていてすごく好きだなって思います。ノリと雰囲気と「イエー!」(勢い)だけでイケる曲ではないので、これこそちゃんと感情を入れて歌わないと、ただのカラオケになっちゃうんで。

ーーそして、12月2日に初めて日本武道館公演を開催しますね。

 武道館は、歌をやっている人なら、誰もが一度は立ちたいと憧れる会場だし、μ’sでも立ったことがないステージなので、すごく嬉しいです。いろんなアーティストさんが立って来たのと同じステージに、改装前に立てるのはすごくラッキーだなって思います。どんな方でも楽しんで帰ってもらえるライブにしたいです!

(取材・撮影=榑林史章)

 ◆Pile 2006年に「全国アジアンドールズオーディション」でグランプリに選ばれ、2007年にシングル「Your is All…」でインディーズデビュー。2010年にアニメ『ラブライブ!』の西木野真姫役で声優デビューし、同アニメ劇中グループμ’sの一員として、シングル「僕らのLIVE 君とのLIFE」でデビュー。μ’sの人気は社会現象となり、2015年末に放送された「第66回NHK紅白歌合戦」に初出場し、2016年3月31日と4月1日の東京ドームで活動に一区切り付けた。Pileとしては、2014年にシングル「伝説のFLARE」でメジャーデビュー。アニメ『ワールドトリガー』主題歌「ドリームトリガー」を始め5枚のシングルと2枚のアルバムなどをリリース。

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