“追い風さん”に感謝、Pile　ファンへの想い込めた新譜

人生で初めて耳鼻咽喉科に行った

Pile

ーーアルバム『Tailwind(s)』は、ロック色が強い作品ですね。ツイッターでは、最近ロックバンドのライブに行った話も書いていて。そういう影響も？

　そうそう。先日は、２日間連続でロックバンドさんのライブに行っていました。でも、特にロックバンドが好きということではなく、歌唱力のあるアーティストさんのライブに行くのが好きなんですよ。だからブルーノートでジャズを聴くこともあるし。聴くのは、ジャンルに関係なく、何でもいろいろ聴きます。

ーー自分で歌うという部分では、音楽に対するこだわりが何かありますか？

　歌っていること自体楽しいのですが、歌っていて楽しくて特にテンションが上がるのは、やっぱりロック系ですね。それにライブだと私はけっこう男気たっぷりなので、こういう方向が向いてるんだなって思います。

ーーPileさんの歌う声は、スピード感やソリッド感があるので、ロックの曲に合っていると思います。

　本当ですか！　しゃべり声とはまったく違うんですけどね。高音になると、つい張り切っちゃいます（笑）。

　昔は「キンキンして聴けない」って、母親に言われたことがあって。今は聴けるようになったらしいです。「プロデューサーかよ！」って感じですけど、ずっと私の音楽活動を支えてくれて、耳もすごく肥えているので、歌にはうるさいんです（笑）。

ーー“キンキンしなくなった”のは、何か歌い方を変えたとかですか？

　昨年、喉を壊して裏声が出せなくなったことで、逆に発見があったと言うか。今まで裏声で出していた高音を、テクニックを駆使してどう聴かせるか苦心しているうちに、実は地声の高音がもっと高くまで出せることに気づいたんです。その部分では、高音を出すのがすごく楽になりました。高いと思っていた音を高いとは感じなくなったことで、ライブで歌うのがすごく楽になりました。それで、前よりも納得出来る歌い方が出来ていると思います。

ーー声が出なくなった原因は何だったんですか？

　私、ステージで歌う前も歌った後も、楽屋でずっとしゃべっているんです。病院の先生から、「普通はライブが終わった後はしゃべるのを控えるものですよ」って言われました。要は、喉を使い過ぎていたのを、気づかずそのまま使い続けていたらしいです。あと、疲れも溜まっていたみたいで。

　そのとき人生で初めて耳鼻咽喉科に行って、自分のノドを見ました（笑）。それからは、風邪引きそうだなとか調子を崩しそうだなと感じたら、すぐ病院に行って早めの対応をとるようになりました。