東山奈央「水をやることを楽しみたい」結果という花を咲かせる為のこだわり

花に水をやることを楽しみたい

「歩いていこう！」アニメ盤

――「FLOWER」というタイトルですけど、どんな花をイメージしていますか？

　実は、最初は「FIRE FLOWER（花火）」というタイトルだったんです。だから＜夜空を輝かせるように＞と歌っていて。歌詞だけなら季節がそれほど限定されないんですけど、タイトルが「花火」では、夏限定みたいになっちゃうんじゃないかと思って、それで「FIRE」を取らせていただいて。それに空に花を咲かせるというのは比喩表現として、空高く思いを咲かせるという意味にも受け取れるので、幅を持たせられるように「FLOWER」にしました。

――今後は声優として歌手として、どんな花を咲かせたいですか？

　花を咲かせることも大事ですが、水をやることを楽しみたいです。

――おお～、けだし名言！

　ちょうど今日、電車に乗っている時に考えていたんですけど…。私の座右の銘に「結果の出ない努力はただの言い訳」というのがあって。頑張っても結果に結びつかないことはあるけれど、じゃあ単に物量ではなくどうやれば結果に結びつくのかをちゃんと考えようという意味なんですけど…。でも結果を追い求めすぎてしまうのも、不健康だなと思う部分もあって。結果を出すことだけに盲目になって思考を固めてしまっては、予想外のハプニング的な幸運も起きないんじゃないかなって思ったんです。安定して80点は出せるけど、120点を出すためには、それだとダメなんじゃないかと。

――なるほど。

　それで、自分がどういう時に120点を出していたかを振り返ると、あまり結果を考えず、目の前のことに集中して、自分がいかに納得するかだけに終始していた時だったと気づいたんですね。これを絶対成功させて届けるぞというところまでは考えていなくて、これをやり切らねば私は死ぬみたいな、やりたい願望に忠実だったと言うか。

――結果を考えずのめり込んでいた時ほど、思っていた以上の良い結果が出せていたわけですね。どんな花が咲くかは分からないけど、楽しく水やりをしていれば、おのずと花は咲くんだ、と。

　水をやるのは楽しいなって思っていて、気づいたら咲いてた！　こんなに大きい花だった！　みたいな。だから私の曲も、伝えたいことを詰め込みに詰め込みまくって、自分が納得して「これなら世の中に出せる」と思ったものにしたい。それでこそ皆さんに、受け止めてもらえるものになるのだと思います。今回のシングルにしても、どの曲もまさしくそういう思いで作らせていただいています。

――大きくな夢を持つのもいいけど、そこにとらわれてしまっていると、足下を見失ってしまうということですね。

　そういうことですね。もちろんドームとか大きな会場で、いつかライブがやれたら良いなとは思いますけど、だからと言って何が何でもドームに立ってやるんだ！　そのために頑張るぞ！　みたいな感じでやるのは、何か楽しくないなって。

――それと、東山さんのシングルの３曲目＝名曲説がありますが、これはまさしくそういう感じですね。

　私のシングルって、意識していたわけではないけど、３曲目に収録される曲が「隠れ表題曲」や「隠れA面」だったりすることが多くて。この曲もきっと、みなさんの琴線に触れるものになってくれるんじゃないかなと思っております。シングルの３曲目って、ライブで歌う機会がなかなかないのですが、1月11日に開催したオフィシャルファンクラブ会員限定ライブ「にじかいっ!! vol.2」で、久しぶりに披露させていただいたら、みんな「聴けて良かった」ととても喜んでくださいました。今後もなるべく３曲目が披露出来る機会を増やしていきたいです。

――では最後に、声優活動10周年記念イヤーの今後は？

　この機会にしか出来ないスペシャルな企画が、鋭意進行中です。みなさんの驚く顔がとても楽しみです。みんなと会える機会をたくさん用意していますので、アンテナを高く張ってお待ち頂ければと思います。これからもよろしくお願いいたします！

（おわり）