素人も玄人も格好良いと思えるのが最高
――「誰が為のレクイエム」MVは、楽曲のゴージャスさとスタイリッシュな映像のコントラストがいいですよね。
金井政人 この曲を格好良く映像化しようという時に、レクイエムだからざっくり「喪服かな」と思いました。それで「スーツを着てカッコ良くやろう」という時に、「余計なことは言わない、しない」と。この曲が格好良いことだけを画に、というプランで撮ってもらいました。
――それで全体的に白黒と。
柿沼広也 そういう意図もありました。実はアーティスト写真とMVは衣装が一緒で、その衣装のままというテーマ、意図を汲んでくれてああいった感じになりました。映像のシンプルなエフェクトも効いています。あと、これはやったメンバーとそうでないメンバーがいて、回転台のようなものに乗って回るんです。「酔わないほうですか?」と聞かれてやったんですけど、けっこうなスピードで回されて。その上で「激しめに演奏してください」と言われてなんとかやったんですけど、ほとんど使われなかったです(笑)。
――相当頑張ったのにという(笑)。
柿沼広也 面白い監督さんでした(笑)。一瞬の部分は使ってくれたんですけど。
金井政人 必死過ぎたんじゃない?
柿沼広也 結構な速度だったんだよ(笑)。
――実は相当大変な撮影だったのですね。さて、12月25日の『Roclassichristmas』はどのような公演になりそうでしょうか。
金井政人 いまはRoclassickモードなので、そこの曲たちが主役になるようにツアーもすると宣言しているようなものなんですけど、全部それだと面白くないので、そこにどうオリジナル曲を入れて楽しく聴いて頂けるか思っています。クリスマスの日をおさえてくれたので、「そこは気をきかせようね。どうしようか?」と。
――そして『Roclassick Tour 2020』も控えていますね。
柿沼広也 完結編ツアーとなっているし、“Roclassick”の曲だけでもワンマンができちゃうくらい曲が揃ってきたなかで、今回は全国細かく行けるので、みなさんが聴きたい曲をできるように、“Roclassick”の曲も僕らの曲も、良い準備をして良い音楽を届けるつもりでいます。是非遊びに来て頂きたいと思います。
金井政人 “Roclassick”は、その可能性をわかりやすく体現したものだと思っています。クラシックが好きな人が笑ってくれて、知らない人は「なんか聴いたことある」と楽しんでくれるものになったら最高だと思っています。“Roclassick”の3は違うものを作りたかったというのも、そういう理由です。いままで聴いてくれた人も最高って思って頂いて、新しく聴く人も入ってきやすいものを今回作ることができたと思います。「素人も玄人もどっちが聴いてもカッコ良いと思ってくれる」というものを目指して作っていて、それが今回“Roclassick”をテーマに成し遂げられたと思います。それは誇らしく、全国をまわりたいです。
(おわり)
作品情報
『Roclassick ~the Last~』
2019年12月18日リリース
<DISC1>
『Roclassick ~the Must~』 ※初回盤のみ収録
01. No.9 (ベートーヴェン『交響曲第9番「歓喜の歌」』)
02. 荒狂曲"シンセカイ"(ドヴォルザーク『交響曲第9番"新世界より"』)
03. Swan Song(チャイコフスキー『白鳥の湖』)
04. 走れエロス(ヴィヴァルディ『春』)
05. Royalize(サティ『ジムノペディ』)
06. 虹を食べたアイリス(ベートーヴェン『運命』)
07. 計算高いシンデレラ(パッヘルベル『カノン』)
<DISC2>
『Roclassick ~the Last~』
01. 誰が為のレクイエム(ヴェルディ『レクイエム「怒りの日」』)
02. 高嶺の花のワルツ (チャイコフスキー『くるみ割り人形より「花のワルツ」』)
03. LEMONADE feat. Haruko Nagaya(緑黄色社会)(モーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』)
04. ワルキューレの非行(ワーグナー『ワルキューレの騎行』)
05. TURKEY OUTSIDER(モーツァルト『トルコ行進曲』)
06. あなたの声で僕の名を呼んで(クリスティアン・ペツォールト『メヌエット』)
07. the Last Song(ショパン『別れの曲』)
※通常盤は『Roclassick ~the Last~』盤のみ