「一生懸命に頑張るだけです」実直・町田啓太を形成した青年期「親に感謝」
INTERVIEW

「一生懸命に頑張るだけです」実直・町田啓太を形成した青年期「親に感謝」


記者:木村武雄

撮影:町田啓太

掲載:19年11月19日

読了時間:約9分

見つめ直すきっかけになった

――写真集が出来上がった今の率直な心境を。

 「大変だった」と思います。企画の段階から僕も関わらせて頂き、アイデアもかなり出させて頂きました。写真も撮りに行きましたし、インタビューも受け、タイトルやその後の構成でも話して、やることがたくさんありました。でもやっと皆さんにお見せできるものができたなと少し安心もしています。

――写真集に掲載されている1万字インタビューでは「改めて自分を見つめ直すきっかけになった」とも語っています。

 写真集のなかに「自分というもの」を沢山詰め込みたいと思い、自分が何に興味があって、何が好きなのかなどを振り返りながら臨みました。でも、そのなかで自分はこういうのは好きじゃないなとか、興味がないものには本当に興味がないんだなと思いました(笑)。そういうことをお話させて頂きました。

――町田さんに実直さ、誠実さを感じますが、剣道の経験によって武道の精神性も養われたのかなと思いました。

 それもあるかもしれないです。おっしゃる通り、武道には精神的なものがあります。例えば、自分との対話や、相手に対しての思いやり、礼儀という心持ちは武道から学ぶことができます。それと、集団と個人、両方の競技をやっていたことも大きいと思います。水泳はまさに自分との戦いですし、集団競技は自分だけでは成り立たないですからコミュニケーションを積極的に取ったり。幼少の頃から武道も含めたくさんのスポーツを経験できたことはすごくありがたいことだと改めて感じます。僕がやりたいということに対して「やってみな」と全部応援してくれた両親にはすごく感謝しています。両親があっての今だとも思っています。

町田啓太

町田啓太

考えることでヒントは得られる

――スポーツの世界だと「投げ出したい」と思う時もあろうかと思いますが、そういう時はありませんでしたか?

 投げ出すと言ったらそうかもしれないですが、「ここまでやって満足したら次へ」となってしまうので。たぶんそれは「いろんなことを経験したい」というのがあったからだと思います。たとえ、そういう状況になったとしても楽しめればいいかなと思います。

――以前のインタビューで「この5年を振り返ってどうか」と聞いたときに「目の前のことを一生懸命にやってきた5年」と話されていました。群馬にいた頃も含めて、今のご自身はどう映っていますか?

 自分の興味あること、好きなことをやってきたらこうなっていた、という感じです。また性格的には、小さい頃は「もっと大人になっているんだろうな」と思っていましたが、あまり変わりはないなと。

――そうしたこともこの写真集で気づけたことですか?

 自分が今どういう考えでいるのか、今は何でお芝居しているのか、そういうのを、過去を振り返りながら考え、それで、「こういうことがあったから今こうなんだ。だから自分はこういう風にしていきたいんだな」と、改めて見つめ直せた機会になりました。

――30歳を迎えるにあたって新たな一歩を踏むために、気持ちの整理ができた機会でもありましたか?

 30歳になったから新たな一歩を踏む、という考えはなくて、一歩一歩が今になっていると思います。その一歩の歩みがずっと続いているだけで。でも、もっともっと考え続けて行きたいとは思っています。

――何かの壁にぶち当たっている子がいたら、それを乗り越えるためのヒントが、町田さんを通してあるのではないかと思いました。

 悩みの対象が分からないのでその人に合っているかは別として、自分のことを1回考えたら、そこから抜け出す、あるいは自分なりに進めるヒントがヒントを見つかるかもしれないです。たぶん、それぞれに方法はあると思いますので、考えることを諦めない方がいいと思います。思考停止した時点で何もできなくなるので。

町田啓太

町田啓太

夢は言葉に

――さて、写真集を見させていただきましたが、都心では大人なクールな表情、群馬では「素」が表れています。

 いい感じに撮ってもらいました(笑)。カメラマンの彦坂さんが天才なんですよ! 現場でもみんな言っていました。ずっと楽しく動き回りながらずっと撮っていました。どれぐらいのカット数を重ねたのか分からないぐらい撮って下さって。考えごとをしているときやしゃべりながら撮ったものもありますし、ずっとその場を切り撮って下さって。こういうふうにしてという動作の注文はなくて、セッションしていた感じではありました。一緒に作ろう、楽しもうという感じでしたので、すごく楽しかったです。

――群馬での写真は幼少に帰ったような顔でした。ご自身も感じましたか?

 もともと群馬では「開放的なところを写真に収められたらいいよね」ということでスタッフさんとも話していました。でも、場所や環境はすごく大事だなと改めて思いました。そういう場にいると自然と当時の空気感といいますか。自分が育ってきた町なので当時を思い出すことも多いですし、だから必然的にそうなったというのもあります。

――香りも感じますね。

 おお!

――インタビューのなかで今後の青写真のことにも触れていました。今後の目標は?

 やりたいことや願望はたくさんあります。時代劇をもっとやってみたいですし、スポーツもたくさんやっていましたから、スポーツがテーマの作品にも出てみたいです。それと田舎で育ったので田舎でゆったりとした作品にも関わってみたいです。もともとSFなど夢のある世界も好きですからSFにもチャレンジしてみたい。1個1個、プロフェッショナルな人たちと一緒に楽しいものをたくさん作れたらいいなと思います。

――それを引き寄せる一つの方法として言葉がある?

 そうです。思っていてもいいと思いますが、やっぱりしゃべったらそういう方たちに届くかもしれないですし、どこでどうなるかは分からない。実際に時代劇をやりたいと言っていたら去年、大河ドラマに出演させて頂きましたし、今年も『螢草 菜々の剣』で時代劇が叶いました。それは身をもって体験したことですので、思ったことは口にした方がいいと思います。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

 僕が好きな事などを詰め込んでいますので、少しでも共有できたら嬉しいですし、気軽に手に取ってほしいです。田舎から東京に出てきている人もたくさんいると思いますから、そういう方も東京と地元の違いで通じる部分があるかもしれない。東京育ちの方も田舎ってこういう感じなんだとか、田舎暮らしの方も東京はこういう感じ、東京に出たらこういう感じなんだと置き換えてみてくれたらいいなと思います。そっと家の片隅に置いといてくれたら嬉しいです。

町田啓太

町田啓太

(おわり)

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