アルバム全曲がA面という気持ちで作った『BE BOY』
――アルバムを聴かせて頂いて、ライブで盛り上がれそうな曲が沢山ありますよね。さて、今作のタイトルは『BE BOY』ですが、なぜこのタイトルに?
☆イニ☆ 1stアルバムが『にゅ~べいび~』で新生児だったので、赤ちゃんから少し成長してヤンチャな子どもになったという意味で付けました。“Boys Be Ambisious”から取ったBE BOYだったりします。
――成長してるぞ! という意味合いがあるんですね。その中で今作はコンセプトはあったのでしょうか。
☆イニ☆ タイアップ曲が3曲も入っていて、アルバム全曲がA面という感じになるように本気で作り上げたアルバムです。お互いに意見を出し合って、バラエティーに富んだアルバムになったと思います。
――どの曲も印象的ですが、思い入れの強い曲を上げるとしたら?
☆イニ☆ 「リメンバー」です。Zepp DiverCityのステージに立つことを夢見てやってきて、昨年そこに立つことが出来ました。これからももっとすごい景色を見たい、この景色を忘れることはないという思いが込められています。
――歌詞は☆イニ☆さんが叩き上げて、そこにテオくんが自分の思いを足した感じですか。
テオくん そうです。そこに自分の気持ちを乗せて行きました。
――「リメンバー」はツアー『Dream Stage Welcome in SkyPeaceisen Party Time』が終わってから書かれた曲なんですか。
☆イニ☆ 曲自体はけっこう前からあって、かなり長い間寝かせてました。温め過ぎてなくなっちゃうんじゃないかと思えるくらい(笑)。
――そうだったんですね。曲の展開が良い意味で節操がないですよね。
テオくん 1曲の中に何曲も入っているかのような感じですよね。それもあって聴いていても飽きない曲に仕上がったと思います。
☆イニ☆ 歌詞にデビュー曲の「スタートダッシュ」を引用していて、「スタートダッシュ」の続編みたいな感覚もあります。
――テオくんの思い入れのある一曲を上げるとしたら?
テオくん どの曲も僕らの実体験を元にして書いているので難しいんですけど、敢えて上げるとしたら「世界」です。この曲は『約束のネバーランド』の感情を読み取って書いた歌詞なんですけど、僕らの世界でも同じような事は言えるんじゃないかなと思い、自分達の世界と重ね合わせて書いてみました。全曲、歌詞への想いというのは込められているんですけど、歌にその想いがよりわかりやすく出たので、歌い方も気に入っています。
――そのレコーディングは大変でした?
テオくん 割とスムーズに出来たと思います。その中でハモりを入れるか、ダブルで重ねるとか2番は敢えて歌は一本で行こうとかは考えたんですけど、歌詞を書いた時の気持ちのまま歌ったら上手くいったんです。
――この「世界」で特に気に入っている歌詞のフレーズはありますか。
テオくん 2番のAメロの<「しょうがないだろ」 なんて言葉で片付けられてしまうような命を せめて少しだけ 愛の近くへ>のところです。大袈裟に表現しているんですけど、『約束のネバーランド』を観ていて、愛されない子もいるよなと思ったんです。現実でも環境によっては「しょうがない」ということも出て来てしまうけど、少しでもその子のことを愛してくれる環境に送って上げたいという想いから書きました。
――「分かれ道」は色んな捉え方が出来る1曲ですね。
☆イニ☆ そうなんです。一見、恋愛の曲なのかなと思うんですけど、<ただ君の後ろ姿を見ている事しか 出来ないのかな?>と、振られたような感じもありますけど、僕の中ではユーチューバーやクリエイター、ミュージシャンなど、表に立つ人たちは芽が出なくて辞めていってしまう人たちも多いと思うんです。自分の仲間たちが活動を辞めてしまったら「寂しいなあ」という気持ちの時にこの歌詞を書きました。例えば、僕がラップを始めるきっかけとなった先輩達が、もし辞めてしまったらどう思うかなど想像して書いたんです。
テオくん 逆に僕は実体験を書いている部分もけっこうあります。周りのクリエイターからやめようかなと相談される事もあるんです。もう少し頑張ってやっていって欲しいという気持ちがあるんですけど、最終的に決めるのは本人で、僕が出来る事はその人が悔いが残らないようにしてあげる事なのかなと思ったので<でも僕にできるのは君の選択に後悔を残させないことだけ>という歌詞が出てきました。
――相談された時はどのような言葉を掛けてあげることが多いですか?
テオくん 自分が進みたい道に進んだ方が良いとアドバイスすることがあります。やっぱり自分が決めた事というのは後悔は残らないと思うんです。でも、辞めて欲しくはないので、やめる事へのデメリットはめっちゃ言いますけど(笑)。
――その中で決めるのは自分だと。人生の岐路に立っている方には刺さる曲ですね。「おバカだっていいじゃないか! 」は「分かれ道」とは真逆の雰囲気で。
☆イニ☆ 僕とテオくんは良い意味でアホなんです。それもあって突拍子もないアイデアが思い付いたりするんです。でも、それが周りからみたらはみ出し物みたいな感じもあると思うんです。それでも個性だし、「やりたいことやろうよ」と、言ったまさにユーチューバーの曲です。
――確かにそうですね。お気に入りの歌詞の部分はありますか。
☆イニ☆ サビの<走る 転ぶ 立つ 痛いから歩く まだこの先人生長いんだから 無理なく歩こう>です。あまり無理しないで行こうぜというのが気に入っています。
――私は<1+1=田んばの「田」 君はエンターテイナーだね>のところが良いなと思って、肯定してもらえると嬉しいですね。
テオくん 僕もここの歌詞が気に入っています。1+1=2と答えられない自分は、この世界に向いていないんじゃないかと思ったんですけど、田んぼの「田」と答えて「面白いね」と言ってもらえた時は、ちょっと認めてもらえたような気がしたんです。色んな人がいるので答えは沢山あっても良いんじゃないかなと思います。