「RISE」は現時点での最高傑作
――新曲「RISE」はTVアニメ『盾の勇者の成り上がり』のオープニング主題歌として1月からOAされます。アニメの主題歌というのは皆さんにとってはどんな心境ですか。
SHIN 僕は漫画とかアニメなど25年間ちゃんと観たことがなくて…。ほとんど見てこなかったんですけど、自分達の曲がTVで流れるのが凄いということはわかります。これが自分の中で初めて観るアニメだと思うので、オンエアが凄く楽しみです。
KAZUKI 僕も世代で有名な作品はある程度知っているんですけど、そこまで観ていたという感じではないんです。今回、主題歌のお話を頂いてシンプルに凄いなという感情と、ティザーの映像に自分達の曲が付いているという興奮が一気にきました。
――メンバーの中で一番アニメ好きは?
LIN 僕だと思います。だから好き過ぎて逆に実感がまだ湧かなくて。「本当になるのかな?」みたいな。PV第二弾を観てやっと実感が出てきたくらいで…。
――「RISE」はギターサウンドが印象的なナンバーですが、どのような経緯でこの曲が出来上がったのでしょうか。
YOU-TA リクエストに「ロックベースで」というのがありまして。その中でどうやってMADKIDっぽくしようかという感じはありました。ロックは今までやったことがなくて、歪んだギターの音が前面に出るという感じはあまりなかったので、MADKIDにとって凄く新鮮でした。完成度も高い曲だし、現時点での最高傑作になったと思います。
――作詞・作曲がMADKIDになっていますね。
YOU-TA MADKID名義のときは全員で集まってやっているときです。その場で作り上げるというか。
――リードボーカルが3人いるとメインメロディなどを作るのは大変そうですが。
YOU-TA 意外と大丈夫で、けっこうスムーズに進みます。僕がだいたい歌割りとかも決めて、ちょっと変えたりはするんですけど、大体その案で行けることが多いです。現実的に歌えない部分が出てきたら「どうする?」という感じで。
――ラップはいかがでした?
YUKI 僕もロックテイストはあまりやったことがなかったので、難しかったと言えばそうなんですけど、ラップという解釈をあまりしない方がいいのかなと考えていました。アニメに寄せようと頑張ったらあまり上手くできなくて。結局自分らしく書いてみてアニメに寄せたものとミックスをして、最終的に上手くまとまったかなと思います。もし、またアニソンをやるとしたら、アニメに沿う部分もあるけど僕達の色も出さないといけないので、そこはブレてはいないけど…上手く出せるようなアプローチの仕方をもっと考えて作ろうかなと思います。次に繋がる作品になったと思いました。
――ロック系はそんなにやってこなかったとのことですが、凄く馴染んでます。ライブでも盛り上がりますよね。
YOU-TA はい。この曲のギターは生なんですけど、打ち込みではないので、オケから出ていても音が全然違うと感じています。実際に他の曲と聴き比べると顕著にわかるかもしれません。
SHIN 踊っていて気持ちよい楽曲ですね。ギターサウンドで踊るという、自分の感覚の中になかった感覚で踊れるので気持ち良く踊れるなと思いました。
YOU-TA 歌っていて気持ち良いですね。アニメソングにちょっとテイストを近づけた、いつもと違う歌い方をしています。おそらくKAZUKIとSHINの2人もしていると思うし、まだあまりやっていないからという新鮮味と楽しさがあるのかもしれませんけど、本当に歌っていて楽しいです。
――「Puzzle」は「RISE」とはまた違ったサウンドで対比があります。80年~90年代に流行ったニュージャックスイング的なサウンドで。
LIN 今まで尖ったサウンドが多いので聴きやすいものを作ろうということになりました。前作「Summer Time」に収録した「Stuck on U」を一回やって、それを踏まえてもうちょっとオシャレにできるんじゃないかと思いました。
――こういった曲のときに心掛けていることは?
YOU-TA 聴きやすさを心掛けています。とにかくクセを無くすというところです。「RISE」と「出ていってよ」はむしろクセを強調していますが、2曲目の「Puzzle」はサラッと歌うことを意識しています。
SHIN 「RISE」とかLINが作ってくれた楽曲の方が僕は難しくて。自分の歌的には「Puzzle」の方が声に合うかなと感じています。それもあって、この曲に関してはすんなり歌えたというか自分らしく歌えたと思います。
KAZUKI 僕も爽やかに、レコーディングから笑顔な感じで声も明るい方向性を心掛けました。
――レコーディングでハプニングなどエピソードはありますか?
YOU-TA KAZUKIのイングリッシュ問題というのがありまして…。発音がちょっと苦手で、そこを僕ら3人で何回もやって。
KAZUKI 「RISE」は英語の歌詞が多くて、そこが苦戦しました。英語しか歌わないというのは初めてでした。
――歌のディレクションはみなさんでやるのでしょうか?
YOU-TA 僕がYUKIとLINのディレクションをするんですけど、2人も全然良くならないときはもう疲れて途中でレコーディングを諦めることもあります。僕は諦められないタイプだからずっとやってしまうんですけど(笑)。ラップは2人と相談し合ってやるんですけど、僕がやっているときはボーカルのKAZUKIとSHINと相談しつつ、エンジニアさんにアドバイスをもらうということが多いです。
――自分達で出来るからMADKIDらしくなるということもありますね。YUKIさんは「Puzzle」のラップはいかがでしたか?
YUKI 僕はこのシングルを通して一つわかったことがあって、僕のラップの長所というものが見えてきた部分があるんです。今回3曲通して全部違うアプローチをしていて、その中でラップにも聴き心地って大事だなと思い「Puzzle」は歌と同じく聴きやすさを重視しました。歌とラップを別ものと考えていたので、歌詞もそれらを上手く混ぜるという作業が今まで苦手でした。でもやっていく内にその感覚がなくなってきて、ラップも歌も音楽の一つなので自分がやりたいと思うことを素直にアウトプットしようと考えて書きました。
――ラップの捉え方が変わったんですね。
YUKI 僕はどちらかというと感覚よりも考えちゃうタイプなんですけど、今回のシングル3曲とも考えてはいるけど今までよりも感覚でやりました。結果、聴き心地良く出来たと思います。曲を通してサラッと終わっちゃうんですけど、今までの曲は「かましてやろう」とみんなで考えて作っていたものばかりなので、ライブでやっても、「Puzzle」のようにスッと終わる曲があっても気持ち良いなと思いました。